様々な意思決定の支援をお仕事としている者が書いたブログです。お仕事やプライベートを通じて、気のついたこと、ハッとしたこと等を書き留めています。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

新しい製品を造り始めるときに自製しようか委託しようかよく迷うことがあります。私が勤める会社でも常に、この問題は、頻繁に議論される課題です。
本日もまさにこの課題がテーマになって議論が起こりました。

具体的な例でいうと、
新製品Xを製造するのに新規設備投資は必要がなく、自製で行う原価計算では、
a原材料費:100円/製品kg
b製造経費の変動費:10円/kg
  変動部分とは、製造する時に発生する消耗品等
c製造経費の固定費:200円/kg
  固定費とは、人件費や減価償却費
合計a+b+c=310円/製品kgとなりました。

一方、この製品を委託製造で賄おうとすると
a原材料費:100円/製品kg
d加工賃:150円/製品kg
合計a+d=250円/製品kgと計算できました。

この両者では、どちらを選択した方が得でしょうか?

単純に比較すると(310-250)=60円/製品kg分委託製造の方が得だと思ってしまいがちですが、それは大きな間違いで、実は自製をする方が得なんですよね。その理由は、固定費は、この新製品Xを製造してもしなくても発生するからです。つまり、この損得の比較は、変動費で比較する必要があるのです。

正しくは、(100+150)-(100+10)=140円/製品kg分自製で行う方が得なのです。

実際には、製造する数量や技術的な問題や初期投資のリスク回避等のため、損を覚悟の上で委託製造を行うことがあります。また、直接部門にかかる工数によっても変化します。しかし、事業部の損益管理が厳格になればなるほど、この固定費の考え方が事業部最適になって、その結果、全社としての意思決定を誤る可能性があるものです。こういった間違った意思決定をしないように注意することが重要だと日々感じております。

参考までに下記の書籍にこの種の問題に対する例題が掲載されています。
「管理会計 第二版」 第12章(2000) 櫻井通晴(著) 同文舘 ¥3,600



【2005/05/31 23:21】 | 管理会計
トラックバック(0) |
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。