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サラリーマン経営者は、創業者一族に特別な配慮なく、ドライな事業展開を行えるメリットがある反面、そこで、専門能力を磨いてきた人たちは、経営職につくと、今その事業が何を必要としているかに関わらず、自分にできることと、知っていることしかしない傾向があるようです。このサラリーマン社長の問題点は、神戸大の三品先生の研究で報告されています。そのことが、ビジネスインサイトNo.50に取り上げられていました。

具体的にいうと、開発出身の人の大半は、事業部長になると既存市場における新商品の開発を一所懸命するのに対して、製造出身の人はモノづくりに、営業出身の人は、新規市場への既存商品の投入や営業政策に力を注ぐようです。

この話を聞いて、どこか見覚えがあるように感じたのは気のせいでしょうか。自分の仕事の専門能力を活かし、その経験をベースに、職務範囲を広げていくのは、まさしく、大きな組織で育っていく典型的なパターンだと思う。ところが、三品先生の指摘する「経営力」というのは、専門領域から末広状に広がる能力だけでは不十分なのではという問いのようだ。恐らく、経営者には、知らない領域でも決断し、実行しないといけない項目が次々にやってくる。案件は、待ってくれないことが多いからだ。

この経営力は、どのように養えばいいのか。パネル討論の中で三菱化学の船田副社長やフェリシモの矢崎社長、チップワンストップの高乗社長もその明確な答えは見出せていない。ただ、一つ共通して言えることは、「決断する勇気をもてるような努力をしている」ことである。それは、過去の経験から持ててもいいし、将来に対する夢から実行できても構わないが、特に、自分の志が大きな力になるようです。一方、逆境もその力を強化することもあるようです。自分が責任をもって実行し、逆境に陥っても他人のせいにしないという勇気こそが本当は一番経営者に必要な要件なのかもしれない。
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【2005/07/12 22:59】 | 経営戦略
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いろいろ
じゃっく
日本のサラリーマン社長の経営力が「専門領域から末広状に広がる能力」に依存してしまう傾向にあるのは、キャリアパスを考えた人材育成があまりなされていないからではないでしょうか?研究・開発・製造・販売・マーケ・間接といった全てのバリューチェーンでOJTを受け、ある程度の専門知識を身に付けようと思うと、例えば45歳を過ぎてからのジョブローテーションでは時間的に無理があります。やはり、プロの経営者を育てようと思うと、20~30歳台から計画的に経験を積ませていかないと総合的な経営力は身に付かないように思えます。創業者一族では、その辺りの配慮が利く(無理が利く)のでバランスのとれた経営者が育ちやすいのかもしれません。

そもそも、「専門領域から末広状に広がる能力」を経営力に昇華させるという方法自身に矛盾があるような気もします。スペシャリストとジェネラリストは要求される能力・資質が違いますので、専門領域で優秀な人が経営者になるには結構ハードルが高いように思います(逆もそう)。また、スペシャリストからジェネラリストへのキャリア・チェンジは片道切符的な性質(後戻りできない)なものなので、スペシャリストにとっては精神的なストレスも大きかろうと想像します。

「経営力は、どのように養えばいいのか。」という問いに対しての私なりの仮説ですが、極論すれば経営力と特定領域の専門能力は全くの別物ではないかと考えています。そうでないと、元お菓子屋さんがIBMを立て直したり、元タイヤ屋さんが日産を立て直したりすることの説明がつかないかと。経営者には様々な能力・資質が要求されると思うのですが、独自の価値観・価値基準を持っていて、その基準に基づいて意思決定することが最も求められるような気がしています。独自の価値基準があればこそ、不得手な領域での意思決定が可能になるのではないでしょうか。
「限られた自らの業務経験」「価値観の異なる人との交流」「Off-JTを通じての知識習得」などを通じて、そこから得られる示唆を他分野でも再利用可能な価値基準に変換する能力が重要であり、常にその視点で日常業務を進めることが経営力を身に付ける一助になるのではないかと考えています。そのためには、意識的に日常的に「自ら考え(深く考え)」「自ら判断する」という習慣をつけていくのが第一歩ではないかと。。。

ちなみに、個人的には「事業部長」や「社長以外の重役」は全社的な最終経営責任を負っていないという意味で、同じ経営者でも「社長」とは大きく違うポジションだと考えています。自分の上に責任を負ってくれる人がいる立場の人と、どこにも逃げ場のない人との間には責任感や求められる経営力に大きな差異あるのではないでしょうか。大企業の副社長よりもベンチャーの社長の方が、より高い経営力が要求されるように思っています。

長々と書いてしまい、すいません。この手の話には興味があるので、ついつい発言したくなってしまいます。。。


Big Voice
長文、まことにありがとうございます。親文書より、よく考えた内容になっているので、感心してしまいますね。

>スペシャリストからジェネラリストへのキャリア・チェンジは片道切符的な性質(後戻りできない)なものなので、スペシャリストにとっては精神的なストレスも大きかろうと想像します。
私は、この峠を越えてしまったような気がします。最初は、悩んだのですが、ゼネラル系の仕事もそれを極めると、魅力的なことも多いと思った次第です。

>独自の価値基準があればこそ、不得手な領域での意思決定が可能になるのではないでしょうか。
専門領域でも自分で苦しい場面を潜り抜けてきた人は、何らかの基準を持っていることが多いです。ここで、応用性を発揮できない人は、所詮、自分の領域から脱出できないのかも知れませんね。

コメント明日に続く。。。



続き
Big Voice
>意識的に日常的に「自ら考え(深く考え)」「自ら判断する」という習慣をつけていくのが第一歩ではないかと。。。

そうです。そのトレーニングは、継続が命のような気がします。自分だったらどうするといつも考えるようにしていないと、判断できる勇気をもてないでしょうね。そういった積み重ねがあって初めて市場価値のある人材になれるような気がしています。反対に他人事と思っているうちは、いつまでたってもその領域には届かないでしょう。切磋琢磨あるのみですね。


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この記事へのコメント
いろいろ
日本のサラリーマン社長の経営力が「専門領域から末広状に広がる能力」に依存してしまう傾向にあるのは、キャリアパスを考えた人材育成があまりなされていないからではないでしょうか?研究・開発・製造・販売・マーケ・間接といった全てのバリューチェーンでOJTを受け、ある程度の専門知識を身に付けようと思うと、例えば45歳を過ぎてからのジョブローテーションでは時間的に無理があります。やはり、プロの経営者を育てようと思うと、20~30歳台から計画的に経験を積ませていかないと総合的な経営力は身に付かないように思えます。創業者一族では、その辺りの配慮が利く(無理が利く)のでバランスのとれた経営者が育ちやすいのかもしれません。

そもそも、「専門領域から末広状に広がる能力」を経営力に昇華させるという方法自身に矛盾があるような気もします。スペシャリストとジェネラリストは要求される能力・資質が違いますので、専門領域で優秀な人が経営者になるには結構ハードルが高いように思います(逆もそう)。また、スペシャリストからジェネラリストへのキャリア・チェンジは片道切符的な性質(後戻りできない)なものなので、スペシャリストにとっては精神的なストレスも大きかろうと想像します。

「経営力は、どのように養えばいいのか。」という問いに対しての私なりの仮説ですが、極論すれば経営力と特定領域の専門能力は全くの別物ではないかと考えています。そうでないと、元お菓子屋さんがIBMを立て直したり、元タイヤ屋さんが日産を立て直したりすることの説明がつかないかと。経営者には様々な能力・資質が要求されると思うのですが、独自の価値観・価値基準を持っていて、その基準に基づいて意思決定することが最も求められるような気がしています。独自の価値基準があればこそ、不得手な領域での意思決定が可能になるのではないでしょうか。
「限られた自らの業務経験」「価値観の異なる人との交流」「Off-JTを通じての知識習得」などを通じて、そこから得られる示唆を他分野でも再利用可能な価値基準に変換する能力が重要であり、常にその視点で日常業務を進めることが経営力を身に付ける一助になるのではないかと考えています。そのためには、意識的に日常的に「自ら考え(深く考え)」「自ら判断する」という習慣をつけていくのが第一歩ではないかと。。。

ちなみに、個人的には「事業部長」や「社長以外の重役」は全社的な最終経営責任を負っていないという意味で、同じ経営者でも「社長」とは大きく違うポジションだと考えています。自分の上に責任を負ってくれる人がいる立場の人と、どこにも逃げ場のない人との間には責任感や求められる経営力に大きな差異あるのではないでしょうか。大企業の副社長よりもベンチャーの社長の方が、より高い経営力が要求されるように思っています。

長々と書いてしまい、すいません。この手の話には興味があるので、ついつい発言したくなってしまいます。。。
2005/07/13(Wed) 09:21 | URL  | じゃっく #JalddpaA[ 編集]
長文、まことにありがとうございます。親文書より、よく考えた内容になっているので、感心してしまいますね。

>スペシャリストからジェネラリストへのキャリア・チェンジは片道切符的な性質(後戻りできない)なものなので、スペシャリストにとっては精神的なストレスも大きかろうと想像します。
私は、この峠を越えてしまったような気がします。最初は、悩んだのですが、ゼネラル系の仕事もそれを極めると、魅力的なことも多いと思った次第です。

>独自の価値基準があればこそ、不得手な領域での意思決定が可能になるのではないでしょうか。
専門領域でも自分で苦しい場面を潜り抜けてきた人は、何らかの基準を持っていることが多いです。ここで、応用性を発揮できない人は、所詮、自分の領域から脱出できないのかも知れませんね。

コメント明日に続く。。。

2005/07/14(Thu) 03:11 | URL  | Big Voice #7w.zRapU[ 編集]
続き
>意識的に日常的に「自ら考え(深く考え)」「自ら判断する」という習慣をつけていくのが第一歩ではないかと。。。

そうです。そのトレーニングは、継続が命のような気がします。自分だったらどうするといつも考えるようにしていないと、判断できる勇気をもてないでしょうね。そういった積み重ねがあって初めて市場価値のある人材になれるような気がしています。反対に他人事と思っているうちは、いつまでたってもその領域には届かないでしょう。切磋琢磨あるのみですね。
2005/07/18(Mon) 22:47 | URL  | Big Voice #-[ 編集]
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