様々な意思決定の支援をお仕事としている者が書いたブログです。お仕事やプライベートを通じて、気のついたこと、ハッとしたこと等を書き留めています。
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投資の意思決定にNPV法やリアルオプション法があるのは何のためか?これに限らず、社内で当然の仕組みとなってしまっていることの経緯をしらずに、最終的な方法論だけ採用していることがよくあるものです。ディスカウントキャッシュフローで計算するのが当たり前になってきた世の中で、そもそも、この手法は何のために採用しているのかを今日は改めて考えてみました。

社内の担当者に聞いても、これは、社内ルールになっているからといって片付けられていることもしばしば。深彫りする思考を中断してしまっているんですね。何のために行っているのかもよく分からずにルール化しているものだと少し怖くなることもあります。

この種の意思決定の際に使う定量的評価は、NPV総額でいくらとか、回収期間が何年とかで、投資案件の善し悪しを判断する材料ということはよくわかるけれども、よくよく考えてみると、既に費やしてしまった投資とこれから行う投資の区別をはっきり行うためではないかと考えるようになりました。つまり、一度注ぎ込んでしまった上に、更に、次々投資をしてしまい、赤字の上に赤字を積み重ねてしまうことで大きな失敗をしてしまうことがあるからです。NPV法は、こういった過去の投資に対する思い入れを冷静に考えさせるためにある評価方法であると思うのです。

昔、コンコルドというマッハ2(時速2450km)で飛ぶ飛行機が開発されましたが、この飛行機の開発も途中の段階で、計画の収支について再試算を行ったところ、今すぐに開発を中止して、違約金を支払うほうがこのまま開発を続けた場合よりも損失額が軽微であるという結果がでたのにも関わらず、コンコルド計画にストップが掛からなかった。今や国語の教科書にも紹介されている「コンコルドの誤り」は、まさしく開発投資に関する意思決定の典型的な悪い事例であろう。

この「コンコルドの誤り」に似た事例でいうと、最近で言えば、神戸空港ではないでしょうか?あの空港がどれだけ採算のとれた空港なのか、兵庫県や神戸市は、同じ間違いを繰り返さないためにも改めて考える必要があると思います。また、第2名神高速道路、九州新幹線の建設など、特に公共事業系は、この種の誤りに陥りやすいですね。もったいないと思うことが反って大きな損失生み出しかねないことに繋がる事例です。他人事と思わず、自分が意思決定をする立場にいれば、どのように考えるかを常に考えるようにして、活かしていきたいものです。

【2006/07/10 22:23】 | 経営戦略
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2008/08/28(Thu) 06:45:57 |  五月原清隆のブログハラスメント
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