様々な意思決定の支援をお仕事としている者が書いたブログです。お仕事やプライベートを通じて、気のついたこと、ハッとしたこと等を書き留めています。
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どんな時にも交渉はつきもの。サプライヤーから、物品を購入する場合の価格交渉、反対に顧客に納品する時の価格交渉、クレームが発生した時の交渉など、いろんな局面で交渉は行われます。今回の耐震構造偽装問題にしても、住民と建設会社で交渉がなされていくでしょう。

しかし、この交渉をうまく乗り切ろうとしても、どのようにすればいいのか、よく分かっていないことが多い。感覚的にいい悪いというのではなく、体系的にこのようにすればいいということが、学問的に確立されていればいいのにと思っていたら、いい書籍が見つかりました。それはハーバード大学ロースクール教授のロジャー・フィッシャーとハーバード大学交渉学研究所副所長のウィリアム・ユーリーが書いた「ハーバード流交渉術」です。

難航する問題が発生した場合でも以下の点に気を付けるといいと指摘しています。
①立場に捉われず、利害に焦点をあてること
②相手に自分は理解されていると思わせること
③客観的基準を打ち出すこと


①について、交渉における基本的な問題点は、表面に出た立場の衝突にあるのではなく、根底にある各当事者の要望、欲求、関心及び懸念の衝突にあることが多い。表向きの立場は、当人が達した結論であり、利害とは、結論を導き出した原因と考える。フィッシャーは、この利害に注目、立場が対立していても利害が対立しているとは限らないというのです。背後にある利害と綿密に検討すると、共通の利益が見つかる。立場ではなく、利害を追求していくことで、WIN-WINとなる選択肢を探しだせるのです。私もなるほどと思った次第です。

②については、交渉時に「聞く」ということが如何に大切であるかを示しています。相手の言い分をすべて言わせあげる、感情の爆発を受け止めてあげることだそうです。このよく聞くためのテクニックとして、相手が言ったことに十分な注意を払い、意味を十分かつ明確に説明してもらい、それでも不明確な点があればその考えを繰り返し、述べてもらうこと。例えば、「今まで言われたことを私なりにまとめさせていただきますと、あなたの見るところでは、事態は、・・・・・ということですね」といった確認をするといいという。相手の立場に立って、物事を考え、積極的な表現を使うところが重要だそうです。しかし、理解することと同意することは違うので、「なるほどあなたの言い分は筋が通っています。私なりに言い換えると・・・・といういうことになりますね。」といって、理解はするがそれに全く同意していないことを相手に伝えるようにするといいと指摘しています。更には「間違っていたら、教えてください。」と受け入れる態勢を示すとよいという。ポイントは、相手を理解し自分なりに表現することなんだと思いました。

③については、立場の駆引きで解決しようとすると時間が掛かってしまうだけで、解決には至らないケースが多いとのこと。これに対して、私意から独立した基準をつくることが重要と述べています。これに有効な策としては、フィッシャーの言葉でいうと「一人がケーキを切り、もう一方が選ぶ」方式です。この方式は、手続きの公平感が生まれ、相手を満足させるのだそうだ。

この書籍からいえることは、普段からこの種のことをトレーニングしておかないと、いざ交渉といった場面で使えないということです。些細なことでも意識するだけでも随分違うかもしれませんね。




【2005/12/18 15:56】 | 組織行動
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