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トヨタのレクサスの戦略を日経ビジネス2005.11.28号で特集していたので興味深く読みました。高付加価値の製品を設計、生産、販売していくためにはどのような工夫がいるのか、その一部が掲載されていました。

私が、特に印象に残った部分でいうと、レクサスとトヨタブランドの境界をどのように線引きしているのかという点。世界最高の価値を提供し続けるための絶対条件であるLEXUS MUSTsと呼ぶ性能・品質基準です。部品間の隙間や静粛性など数値化できる品質項目に加えて、乗り心地など感性に至る面まで約500項目を社内で規定しています。具体的には、
・木目を使ったハンドルなどレクサス専用の内外装部品
・ヘッドランプよりフロントグリルを低く配置するデザイン
・窓枠などのコーナー部で採用される矢じりをかたどった「アローヘッド」と呼ばれるデザイン
・パネルを組み付けた際にできるボディの隙間や段差
・合わせ目の精度を徹底的に高めることで、美しさの際だつ滑らかなボディ
などです。

社内でレクサスのみに使える仕様を明文化して、「共通仕様」と「差別化仕様」をはっきりさせているんです。発売当初は差別化仕様でしても、その内にコストダウンを図るため共通仕様に変わってしまい、結果的に他の商品との違いが曖昧になってしまうことはよくある話です。このような現象を防止するための条件といえるでしょうね。また、レクサスには、最新技術を使っているという。それは、レクサスで確立した技術をトヨタ車に横展開するためだそうです。

しかしながら、LEXUS MUSTsをつくることで、改善できる領域が少なくなるため、コストダウン領域を限定しまうことにつながりかねない。また、最高技術をレクサスに使用するということは、それだけ品質トラブルが発生する可能性が高いということ。生産系のメンバーにとっては非常に苦しい条件を突きつけられた製品です。そういった矛盾を乗り越えていく組織風土がトヨタの原動力かもしれません。

企画からデザイン、ブランド戦略まで一元管理しているレクサスですが「人材を固定せず他部門との交流を進める」のだそうです。こういった方針が、仕事が個人に残ってしまわない歯止めになっているのかもしれませんね。人材豊富なトヨタだからできるのかもしれませんが、「ものづくりは人づくり」と称している渡辺社長の方針が、レクサスにも応用されている点が素晴らしいですね。

【2005/11/27 17:40】 | 経営戦略
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2005/11/28(Mon) 11:51:54 |  この国を想うとき powered by 紫
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